シャンプー選びの時に「サルフェートフリー」という言葉を最近よく目にしませんか?
サルフェートフリーとはいったいどういう意味なのでしょうか?
わかりやすくまとめてみました。
サルフェートってなに?
サルフェートとは「硫酸塩」です。
硫酸塩はマグネシウムなどのミネラル成分と硫酸基が結合してできた化合物です。
市販のシャンプーでよく使用される、ラウレス硫酸ナトリウムやラウリル硫酸ナトリウムなどの界面活性剤がサルフェートに当てはまります。
硫酸と聞くと、理科の実験を思い出す方がいるかもしれません。
強酸性で、直接手で触れると火傷をしてしまう・・・そんな危ない液体のイメージではないでしょうか?
確かに濃度の高い硫酸は危険ですが、硫酸塩(サルフェート)は危険ではありません。
硫酸塩は温泉などにも含まれており、群馬の渋川温泉(硫酸塩泉)は傷に効く温泉として有名です。
また、サルフェートの入ったミネラルウォーターはデトックス効果や美容効果が期待され近年注目されています。
なぜサルフェートフリーにするの?
なぜ危険ではないのにわざわざサルフェートフリーと謳うのでしょうか?
それは洗浄力が強すぎるからです。
洗浄力が高すぎると必要な皮脂まで洗い流してしまい頭皮の乾燥を招く恐れがあるのです。
頭皮が乾燥しすぎてしまうと、フケやかゆみの原因になり、頭皮環境の悪化に繋がってしまいます。
また、高い洗浄力はカラーリングの落ちにも影響が出ると言われています。
なぜ市販シャンプーの成分の主流になったの?
洗浄力が高すぎて頭皮の乾燥やカラーリング落ちを招いてしまうサルフェートなのに、どうして市販のシャンプーでよく使われているのでしょうか?
それは安価で洗浄力が高く、泡立ちもいいのでシャンプーの価格を抑えるのにはうってつけの成分だからです。
使用者の立場としても泡立ちが良くサッパリとした使い心地のシャンプーの方が使用感がいいですよね。
そのため、長らくシャンプーの主流の成分になっていました。

サルフェートが入ったシャンプーは使わない方がいいの?
乾燥肌の方はサルフェートがメインのシャンプーを避けた方がいいかと思います。
ですが、全ての人が使わない方がいいとは限りません。
オイリー肌で地肌のべたつきが気になる方が、洗浄力の弱いシャンプーを使い続けると汚れを落とし切れずに脂漏性皮膚炎などトラブルにつながる可能性もあります。
ハンバーグをこねた手を肌に優しいハンドソープで洗っても脂が落ちないと同じです。
- 顔がテカテカになりやすい
- 頭皮がべたつく
- 頭皮が臭う
そんな方で、髪にあまりダメージがない方ならサルフェートが入った洗浄力の高いシャンプーでも問題ないでしょう。
補助剤としてなら〇
アミノ酸系の洗浄成分は洗浄力が弱いものが多いため、洗浄力のバランスを取るために補助剤としてサルフェートが入っている場合があります。
補助剤として入っている場合は成分表にアミノ酸洗浄成分(ココイルメチルタウリンNaなど)の後に入っているので、前から4番目以降に入っていればそれほど気にしなくてもいいのかなと思います。
サルフェートフリーなら低刺激?
「サルフェートフリーで硫酸塩が入っていないから肌に優しくて安心♪」
とも限りません。
サルフェート(硫酸塩)が悪者にされて使いにくくなったので、サルフェートの代わりになるような洗浄力が高く安価な界面活性剤が必要になりました。
そこでよく使われるようになったのが、オレフィン(C14-16)スルホン酸Naです。
ラウレス硫酸ナトリウムよりは低刺激ですが洗浄力は同等レベルのため、乾燥肌の方には要注意な成分です。
成分表を見て水の次にオレフィン(C14-16)スルホン酸Naが入っていたら洗浄力が高いと思ってください。
見落としがちな第4級カチオン界面活性剤
サルフェートもオレフィン(C14-16)スルホン酸Naも入ってないから安心♪
と思っていたらこんな落とし穴も・・・
第4級カチオン界面活性剤です。
聞きなれない言葉ですが、トリートメント等によく使われる成分です。
静電気の発生を抑え、髪をしなやかにまとまりやすくしてくれる成分ですが、皮膚への刺激が強いのが特徴です。
刺激が強いので直接頭皮へつけないトリートメントによく使用されますが、シャンプーに入っている場合もあります。
いくらサルフェートフリーや高級アルコールフリーなどを謳って肌に優しそうなシャンプーでも、第4級カチオンがシャンプーに入っていると肌への刺激は強くなってしまうので注意して見てみましょう。
下記はよくみる第4級カチオン界面活性剤です。
- ベヘントリモニウムクロリド
- ステアルトリモニウムクロリド
- ステアルトリモニウムブロミド
まとめ
サルフェートフリーは硫酸塩が入っていないという意味でした。
洗浄力がとても高いラウリル硫酸ナトリウムなどが入っていないから低刺激だよ!という意味が込められていますが、サルフェート以外にも洗浄力が高かったり刺激が強い成分もあるので、サルフェートフリーなら必ず低刺激になるわけではないと知っておきましょう。
そして、
サルフェート=悪者=使ってはいけない
ではなく自分の体質に合った洗浄力のシャンプー選びが大切です。